2010年3月20日土曜日

Solaris FC-SANにおけるMPxIO設定


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I/Oのマルチパスは安全性の高いストレージ環境を構築する上では欠かせない要素となる。

永らくSolarisではサードパーティ製のVeritas Volume Manager (VxVM)を使ったマルチパス環境が一般的であったが、Solaris9からOS標準のI/Oマルチパスがサポートされるようになった。


Solarisにおけるマルチパスコンポーネントは MPxIO(旧名 Sun StorageTek Trafic Manager)と呼ばれる。

機能の詳細に関しては、
Solaris Fibre Channel Storage Configuration and Multipathing Administration Guide
http://docs.sun.com/app/docs/doc/819-0139

参考:Linuxのマルチパスに関してはこちら
>> マルチパスI/Oの設定(RedHat)
>> RedHat における iSCSI 設定とマルチパス
>> 仮想環境を使って簡単にRHEL6のiscsiマルチパスを検証する


マルチパス構成ファイル

MPxIOはSolaris10ではOEMサポートを選択してインストールすれば、同時にインストールされている。設定ファイルはシンプルで、

/kernel/drv/fp.conf
/kernel/drv/scsi_vhci.conf

の二つで行う。


マルチパス制御コマンド

状態確認等の管理は

# mpathadm

で行う。


基本操作

MPxIO自体はx86システムでは最初から有効になっている。/kernel/drv/fp.conf ファイルの
mpxio-disable="no";
これがON/OFFを制御する値。これをyesにして再起動するとMPxIOが無効になり。マルチパス制御が働かなくなる。SPARCではstmsbootコマンドを使ってON/OFFを行う(こちらは環境が無いので未確認)どちらの場合も設定変更時には再起動が必要になるので注意。

標準でサポートされるストレージの種類は以下で確認できる。この一覧に出力されるストレージでは特にこれ以上の設定を行うことなくマルチパス環境での運用が可能になる。

# mpathadm list mpath-support
→ サポートアレイの動作を定義したライブラリの一覧が表示

# mpathadm show mpath-support xxxxxxxx
→ xxxxxには上記コマンドで出力されたライブラリ名を入力

この一覧に表示されないストレージに関しては /kernel/drv/scsi_vhci.conf に個別に定義していく必要がある。


個別ストレージの対応

まず確認すべきはストレージのマルチパスサポートタイプで、コントローラがActive-Activeなのか、Active-Standbyなのかが重要になる。Solarisでは

Active-ActiveストレージをSymmetric Device(EMCのストレージの事ではない)
Active-StandbyストレージをAsymmetric Device

と呼んでいる。

さらに細かく言うと、symmetric device とはサーバ - ストレージ 間の全ての経路を使って同一のI/O(SCSI)コマンドが実行できるストレージの事を指し、そうでないものは全てAsyymetric deviceとなる。



symmetric device の場合

/kernel/drv/scsi_vhci.conf へ 以下を追記
device-type-scsi-options-list =
"VENDER1  PRODUCTNAME", "symmetric-option";
"VENDER2  PRODUCTNAME", "symmetric-option";
"VENDER3  PRODUCTNAME", "symmetric-option";
symmetric-option = 0x1000000;

ヘテロジニアスな環境では上記のように定義する、1社のストレージのみしか接続しないならば、VERNDER~~の部分は1行でよい。VENDERの部分やPRODUCTNAMEの部分は、一回Solarisにストレージを接続し、formatコマンド等で確認すると手っ取り早い。

この設定を記載し、再起動を行い、

# mpathadm show mpath-supportlibmpscsi_vhci.so

コマンドの最終出力部分に定義したストレージが表示されれば設定が有効になっている。


そして、ストレージ接続後に、

# mpathadm show lu


を実行し、マルチパスデバイスの詳細に、Asymmetric: no と表示されれば設定が正常に適用されている。後はパス切断による動作テストを行い、設定完了となる。


Asymmetric Device の場合

経路によってI/Oできる、できないといったActive-Standby構成の場合は上記の設定は不要。ただし、経路情報(どのパスをActiveにするか】をSolarisが勝手に定義してしまうので、ストレージによってはまともに動かない or データ破損を招いてしまう。

そのためmpathadmコマンドでどのパスを有効かし、パスフェイルオーバーの挙動を定義してやる必要がある。この操作についてはストレージ製品に依存するところが大きいので、ストレージ購入元のサポートを受けることをお勧めする。

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